建築図面トレース・青図・野帳のCADデータ化の外注・下請歓迎

『AutoCAD』ハッチングを作成する

この記事では、AutoCADを使用して建築図面を作成する為の基本的な操作方法について説明します。

 

今回の記事では、ハッチングの作成方法について解説します。

 

ハッチングとは?

図面の表現として、図面の一部を塗りつぶす場合や、素材を表現する場合に利用します。

 

簡単に言い換えると、図面を色や模様で塗りつぶす操作をハッチングによって実行します。

 

 

ハッチングの実行方法

早速、ハッチングを作成してみましょう。

いずれかの操作で実行可能です。
・リボンメニュー「ホーム」→「ハッチング」
・フルコマンド「HATCH」を入力してEnterキー
・エイリアス「H」を入力してEnterキー

 

エイリアスでの実行方法として主に解説します。

 

① 準備として、レクタングコマンドの実行により、閉じた長方形を作成します。(コマンドの実行方法は、別記事「モデル空間とペーパー空間を駆使する①」で紹介しています。)

「H」を入力してEnterキーによりハッチングを実行します。

「内側の点をクリックまたは」と表示されますので、描いた長方形の内側をクリックします。

 

 

[Enter]を押すとコマンド終了となり、ハッチングが作成されました。

⑤ 作成したハッチングを選択し、オブジェクトプロパティの尺度を変更することで、ハッチングとして描かれている模様のピッチが変更されます。

 

 

と、単純にハッチングを作成することは、非常に簡単です。

 

しかし、実は色々と奥が深いのがAutoCADのハッチング作成です。先ずは、ハッチングそのものの作成方法をここで知った上で、実際の作図に使う様々な機能を解説します。

ハッチングの種類を変更する

作成したハッチングですが、「いやいやそんな柄使わないです。」というのが正直なところ。

 

実際に利用頻度が高いのは、コンクリート断面を表す斜線や、塗りつぶし、ドットや斜線だと思います。

 

そこで、先ほど作成したハッチングの柄を今回は斜線に変更します。

いずれかの操作で実行可能です。
・リボンメニュー「ホーム」→「修正」→「ハッチング修正」
・フルコマンド「HATCHEDIT」を入力してEnterキー
・エイリアス「HE」を入力してEnterキー

 

リボンメニューからいちいち選択するのが手間となるコマンドの1つです。
エイリアスでぜひ覚えておきましょう。

 

「HE」を入力して[Enter]キーを押します。

[ハッチングオブジェクトを選択]という文字案内が出ますので、作成したハッチングを選択します。

③ ハッチング編集の別画面が出現します。

④ 見本を左クリックします。

 

 

[LINE]を左クリックして、[OK]を左クリックします。

 

 

[角度]に数値で「45」を入力し、[OK]を左クリックします。

 

 

⑦ ハッチングの種類が変更されました。
この時、変更がわかりにくければオブジェクトプロパティからパターンの尺度を変更してください。

 

 

この[HE]というエイリアスから実行されるハッチング編集の別画面は、様々な編集に利用しますので、慣れておきましょう。

ハッチングの境界を追加・削除・再作成する

ハッチングを作成しているオブジェクトを変更したい時や追加したい時の操作です。
長方形をもう一つ作成しておきましょう。

 

 

① エイリアス[HE]でハッチング編集の別画面を開きます。

[追加オブジェクトを選択]を左クリックします。

 

 

③ 先ほど追加したハッチングをしていないオブジェクトを選択し、[Enter]キーを左クリックします。

 

 

④ 再度、ハッチング編集画面が表示されるので、[OK]を左クリックで、ハッチングが完了します。

 

さて、この操作には、少しだけ重要なポイントがあります。それは、1つのハッチングデータで2つのオブジェクトをハッチングしているということです。

作成したハッチングのどちらかを左クリックすると、もう一方のハッチングも選択されることが確認できます。

 

右のデータは、それぞれのオブジェクト毎にハッチングを作成しました

見た目は同じですが、データが1つなのか、2つなのかで編集効率が変わります。

 

この違いは、どちらが良いというよりは、使い方によって利便性が変わります。ここでは複数のオブジェクトのハッチングを1つのデータとして纏められることを知ってもらえれば十分です。

 

また、ハッチング編集画面で、[除外]や[再作成]を選択することで、ハッチングするオブジェクトの変更が可能です。

 

 

ハッチングする領域を変更する

作成したハッチングの基になっているオブジェクトの端部を少し動かしてみましょう。

端部を左クリックし、マウスを移動させれば、オブジェクトの形を変更できます。すると、ハッチングも自動的に変更されることを確認してください。

 

 

確認ができたら、ハッチング編集画面で、自動調整のチェックマークを左クリックにより解除します。[OK]で編集を完了させたら、先ほどと同じように、ハッチングをしているオブジェクトの端部を動かしてみましょう。

 

 

今度は、ハッチングの領域は変わらず、オブジェクトの形だけが変更されます。

 

 

この自動調整を行うかどうかも、どちらが良いかの判断は図面次第です。

ただ、図面に線が非常に多い場合は、ハッチングの境界線を表示させたくない場合があり、そのようなときは自動調整をオフにすることが良くあります。

一方で、ハッチングしている領域がわかりにくいというデメリットもあります。

また、自動調整をオフにしている場合に注意して欲しいことがあります。
それは、ハッチングの端部等は移動やコピーコマンド時に選択できないということです。つまり、ハッチングの起点を端部に設定できない分、ハッチング位置を移動してしまうと、範囲の調整は、ハッチングの端部の1つ1つを選択して移動させる必要があり、時間がかかります。

 

自動調整は一度オフにすると、再度オンにしたくても、自動調整のチェックマークを選択できなくなります。

 

でも安心してください。

境界を再作成で、再度自動調整をオンに出来ます。試してみるとよいでしょう。

 

システム変数[HPDLGMODE]

ここまで読み進めて頂ければ、ハッチングの作成、編集、境界の変更等のテクニックは網羅しています。また、ハッチングの角度等も変えられるので、色々なハッチングを試してみると良いでしょう。

 

一方で、1つだけ疑問が残ります。

 

幾つかハッチング作成すればわかりますが、手順としては、ハッチングを一旦作成してから、ハッチング編集により目的のハッチング柄に変更しなくてはならないということです。

 

これでは、非常に効率が悪いですよね。

 

そこで最後に、ハッチングの柄を最初から指定する方法を2つ紹介します。

 

ハッチングの柄を最初から指定する方法 ①

1つ目は、ハッチングコマンド実行時に、[↓]キーを押して、[設定]という部分をクリックすることで、ハッチング編集画面に移行する方法です。

 

そうして柄を設定した上で[OK]で編集画面を閉じ、再度ハッチングする点やオブジェクトを選択することで、ハッチングを指定した柄で作成します。

この操作は、ハッチングコマンド実行時に、コマンドラインに「T」を入力することでも実行できるので、それに慣れれば比較的早くハッチングを作成していけます。

 

ハッチングの柄を最初から指定する方法 ②

もう一つは、システム変数を変更するという方法です。

 

別記事「作図するモデルに合わせて尺度を設定する」でもシステム変数に触れていますが、簡単に言えば、AutoCADの設定そのものを変更する方法です。

 

コマンドラインに「HPDLGMODE」を入力します。

 

 

数値を入力できるようになるので、「1」を入力します。
(初期設定、つまり今までの設定は「2」です。)

 

これで何が変わるのか。

 

実際に変更した上で、ハッチングコマンドを実行すればわかりますが、コマンドを実行すると、先ずハッチング編集画面が開きます。そこから、ハッチング編集画面右上の点かオブジェクトかを選択して、ハッチングを作成します。

 

 

こちらの方法は、一見便利な設定ですが、実は先ほどのやり方よりも、手順が少し多いです。

ハッチング編集画面が閉じてから、ハッチングするオブジェクトや範囲を決めると、またハッチング編集画面が出現します。そこで[OK]をクリックしてハッチングを作成できるのですが、ハッチング編集画面が2回出現してしまうという部分が、やや非効率です。

これに対して最初のやり方であれば、1回のみ出現します。気になる方は、違いを試してみてください。

 

ハッチングを作成するは、以上となります。

 

見やすい図面を作成する上で、ハッチングは非常に便利です。
ぜひやり方をマスターしましょう。

 

タイトルとURLをコピーしました